最高裁判所第一小法廷 平成4年(行ツ)19号 判決 1992年3月19日
新潟市礎町通一の町一九六六番地
シャトー礎三一〇号
上告人
木村レイ子
新潟県村上市三之町一一番地一号
被上告人
村上税務署長 阿部真吾
右指定代理人
畠山和夫
右当事者間の東京高等裁判所平成三年(行コ)第八九号贈与税決定処分取消、所得税更正処分取消請求事件について、同裁判所が平成三年一〇月九日言渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨の上告の申立てがあった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告人の上告理由について
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。
よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 大堀誠一 裁判官 大内恒夫 裁判官 橋元四郎平 裁判官 味村治)
(平成四年(行ツ)第一九号 上告人 木村レイ子)
上告人の上告理由
準備書面における略語は以下のとおりです。
贈与税決定処分「本件決定処分」木村サダエ「サダエ」新潟県村上市上町一番三〇号所在の店舗兼住宅「店舗兼住宅」呉服小売販売業「本件事業」
一 上告の理由
被告が原告に昭和六三年八月十日付で行った本件決定処分は原告の知り得ない被告とサダエの密室の話合の合意により決定されたため、反論を困難にしていたが、証拠調べの結果により新しい事実主張を加え本件決定処分の違法性を立証する。なお上告事件の一部である所得税更正処分取消請求事件は既に被告が原告の異議申立にその全部の取消しを行ったので存在しない。本件決定処分事件の上告の結果により自動的に帰属が決まる。
二 本件決定処分の経緯
1 原告は昭和五八年父親の遺産相続の裁判所の調停に於てもサダエと長男は父のした約束を戻さなかったので本件事業から退職することをサダエに伝えた。
サダエは原告が退職するなら本件事業は廃業するを伝え、原告に以降の本件事業を廃業体制にすること、廃業の際は、残務整理にあたることの指示をした。
原告は、従業員の解雇を行い本件事業の積極的な販売をやめた。
サダエは被告及び税理士に依頼して原告の説得にあたらせたうえで原告の意思が固いことを確認し昭和六一年四月本件事業の廃業決断を伝えた。
原告は残務整理にあたり同年九月完了を伝えた。
2 ところがサダエは同年九月サダエの足の手術の立合に帰省したサダエの長男の意志を受け入れて一転本件事業の廃業撤回、営業続行を指示した。
併せて、本件事業の売上高を三千万以上にすること及びサダエの税の軽減の指示を伝えた。
3 昭和六年の本件事業はサダエの指示により年間を通して販売につとめ売上金額高三千万以上にした。
税の軽減の指示により、サダエの青色申告みなし法人に事業主給与を二四〇万から一八〇万に減額しさらに全商品二割引以上の値引きをして販売し利益を減少させて販売した。
4 同年一二月二五日突然原告は、被告石井署員からの電話を受けた。
内容はサダエが被告に廃業届を持参してきているので至急原告の個人事業の開業届を提出してほしいであった。
原告は被告の石井署員にサダエの廃業に従い退職すること本件事業の事業主になる意志のないことを明確に伝えた。被告の石井署員は了解し電話の向こうのサダエにこれは駄目だを言っているのが聞こえた。
5 サダエは原告の意志を熟知しながら同年一二月三一日付で原告に簡易書簡を利用した贈与通知を送付した。すぐに原告はサダエのところに出向き、執拗なことはやめてくれるよう伝え贈与通知を返却した。
6 原告はサダエが廃業決断の変更を繰返し曖昧なので昭和六三年は年頭から五日まで本件事業を休業しサダエと被告石井署員に確認した。
その結果営業続行の返答を受けた。
7 同年一月十日サダエは被告がサダエ宛に送付したサダエの決算申告書類を持参し原告に作成して提出するよう指示した。
原告が書類を点検したさい、例年の書類でなかったので被告に問い合せて始めてサダエがみなし法人を取り止めたことを通知された。
同年二月一日同様にサダエは被告がサダエ宛に送付したサダエの確定申告書類を届けた。
同年三月十日原告は被告にサダエに依頼されたサダエの事業決算書及び確定申告書を提出した。同時にサダエが原告に通知せず納入したサダエの源泉徴収税の還付手続きをした
同年五月二八日被告は原告の還付請求に応じてサダエの本件事業用通帳に還付した。
8 同年七月十日被告宮村調査官の訪問調査を受けた。被告に昭和六二年分のサダエ名義の申告書が二通り提出されたのでサダエに問い合わせた結果、被告は原告を本件事業の事業主に認定していると伝えた。
そして、本件事業の経理書類を持ち帰った。
同年八月三日被告宮村調査官は原告に本件決定処分のあることを知らせた。
原告は宮村署員の通知に対しサダエの廃業に従って退職する意志の廃業届を同日中に提出した。
同年八月十日原告は被告の本件決定処分の通達を受取った。
9 原告は被告の本件決定処分の何かを理解出来なかったので本件決定処分以降は被告と国税不服審判官の指示指導に従って原告に認められた異議申立を行ってきた。
10 平成三年十一月原告は家族などの激しい妨害に合い移転を余儀なくされた。
三 本件決定処分の違法性について
1 サダエの本件事業の指示と原告の対応
(1) 昭和五九年サダエは本件事業を廃業体制にすると廃業のさいは、原告に残務整理にあたることの指示をした。(甲第一号証)と(甲第二~四号証)の売上金額の比較により(甲第二号証)以降の売上金額に低下が認められる。(甲第二号証裏)より従業員の解雇が認められることで本件事業を廃業体制にしたことを確認できる。廃業体制後はいつでも解雇できるパート従業員の雇用にしていた。本件事業の事業主が経営不振以外の理由で廃業を決める場合、営業関連者に影響を考慮して、廃業体制経過後の廃業が望ましいのでサダエは廃業体制を指示した。
(2) サダエは被告及び税理士に依頼し原告の説得にあたらせたうえで原告意志の固いことを確認して昭和六一年四月本件事業の廃業決断を伝えた。
原告は本事業の残務整理にあたり同年九月サダエに終了を伝えた。
(甲第四号証裏)の月例仕入金額の四月から十月迄の仕入れ金額に減少が認められ、パート従業員の解雇が認められることで本件事業を残務整理したことが確認できる。
但し、本件事業の月例売上高は本件事業が収入金額をして売上としているので、その比にない。
(3) 同年十月サダエは本人の足の手術に立合ため帰省したサダエの長男の意志を受け入れて一転、廃業撤回を指示した。その上さらに本件事業の年間売上を三千万以下にしないこと及びサダエの税を軽減せよの指示を付け加えた。
(甲第四号証裏)の月例仕入金額より十一月十二月から再び仕入に増加がみられることでサダエが廃業を撤回したことを確認できる。
2 昭和六二年の本件事業
(1) 昭和六二年の本件事業は前年のサダエの指示を受けて年間を通して販売し売上金額三千万以上にした。
(甲第四・五号証)の売上金額の比較により指示による増加をみられる。
昭和六一年 売上金額 二二、四三三一五〇円
昭和六二年 売上金額 三一、九二五六一〇円
サダエの税を軽減せよの指示によりサダエの事業主報酬を減額させ、さらに原告の賞与からサダエに贈与した。
昭和六一年事業主報酬二四〇万→昭和六二年一八〇万減額昭和六二年原告の賞与六〇万→サダエに贈与。さらにサダエの税の軽減のため本件事業に利益が出ないよう全商品を二割引以上の値引をして販売した。(甲第三七号証)、(甲第三八号証)に過大の値引が認められる。サダエの長男の指示に従いこれらのことを行ったために結果として本件事業の利益率が低下して被告の所得決定処分になり被告は原告の異議申立を認めて取消している。
(2) 原告はサダエが本人の地方税の支払を指示していないので知らないが村上市の地方税は所得の生じる場所をして税額を算出する。
地方税額=(サダエの所得+原告の所得)
そして事業主に重く専従者に軽くして税額を決めて、個別に住所のあるところに請求する。
したがって国税のように所得を分散して節税することはできない。別々の場所で働くサラリーマンの方が節税になる。
(3) サダエは従業員については指示をしなかったので廃業体制のパート従業員を使用していた。(甲第五号証裏)
佐藤悦子―日給四千円、パート従業員二ヶ月 雇用
(子育中のため勤務時間に猶予)
永田 悟―日給五千円、パート従業員三ヶ月 雇用
(季候の悪い年の運転手)
関ゆかり―日給三千五百円、アルバイト従業員五ヶ月 雇用
(就職浪人で勉強兼アルバイトすることを許可東京都庁に就職して退職)
したがって昭和六二年の本件事業をサダエの指示による営業を行っており事業主サダエに変りない。
3 被告が新潟地方裁判所平成二年四月二〇日提出の平成元年(行ウ)第八号準備書面(一)三、三項3(一)において昭和六二年分の確定申告に関する一件書類をサダエ宛に郵送したこと昭和六一年一二月二五日被告にサダエから同年分の所得税からみなし法人課税選択の取り止め書及び個人事業の廃業届が提出されたことを認めていることについて。
(1) 原告は被告にサダエの昭和六一年確定申告書にサダエの住所変更をした(甲第四号証)
(2) 昭和六三年一月十日サダエが届けた書類内容は本件事業用
青色申告決算書、提出用一枚、控用一枚、
不動産決算書、提出用一枚、控用一枚(甲第三九号証)
であった。
被告は既に手続きから一年を経過していたことから事務処理を完了した正しい送付宛先と書類内容にしていた。
(3) 昭和六一年一二月二五日同時にサダエが被告に提出した廃業届の事務処理がされていなかったのは被告がサダエの廃業届に対し、原告が被告に原告の個人事業の開業届を提出しなかったことで本件事業の贈与関係は成立せずとしてサダエの提出した廃業届を無効書類にしたからである。
被告は原告のみなし法人取り止め書の問い合せに対しても事業主サダエに変りないことを伝えていた。
サダエも不動産決算書を取り戻すことをしなかった。(甲第三九号証)
(4) 昭和六三年三月一一日原告はサダエの確定申告書を例年どおり被告に提出した。(甲第五号証)及び(乙第四号証)書類に原告の印鑑を使用しているのは同時に原告の歯の治療費を還付請求する書類を作成していたので被告が申告に使用する印鑑を限定していないことから手近にあった印鑑を使用した。(乙第一二号証)に使用している印鑑より被告が確定申告書に使用する印鑑を限定していないことが確認できる。「木村」であれば何を使用しても良い。
(5) サダエは同年三月一五日原告が被告にサダエに依頼された確定申告を提出するのを確認後、サダエの不動産のみの確定申告を提出している状態にある(乙第四号証)
(乙第四号証)は不動産用決算書の添付しない。被告とサダエの共同字体の作成による確定申告書であることを確認できる。
(6) したがって、被告とサダエの作成した確定申告書類はサダエの名義の二通りの申告書を提出することで原告を事業主に認定させる目的のために提出した無効書類である。
原告がサダエに依頼されて作成した確定申告書が正しい。
4 被告が主張するサダエに給与支給及び利益が供与されていないについて。
(1) サダエは本件事業及び不動産業を営んでいる。被告は同じ個人事業主の場合所得を合算して確定申告することを義務づけている。
サダエは本人の事業に被告の青色申告みなし法人制度を採用している。
みなし法人制度は事業主に毎月生活費を目的とした給与支給を認めている(賞与支給は認めない。)給与支給額を事前に被告に提示することを義務づけている。サダエの給与支給方法は次の三通りがある。
<1> 本件事業収入からの支給
<2> 不動産収入からの支給
<3> (本件事業収入)+(不動産収入)からの支給
サダエは移転した際に不動産収入と軍人恩給を本人の生活費にするを伝えた。<1>から<2>に変更する指示をした。以降サダエの給与支給はそれまでの本件事業の金銭出納帳の記載からサダエ自身が管理記載している不動産収入の金銭出納帳に移行している。
被告異議申立志田調査官は、調査目的を告げずに本件事業の金銭出納帳を持参しコピーして戻した。
サダエの給与支給の有・無を確認するためを推測するのが既に不動産収入の金銭出納帳に記載が移行していた。したがってサダエに給与支給している。被告のサダエに給与支給がされていないは誤りである。
(2) 本件事業及び店舗兼住宅の経費の領収書は全部を本件事業の屋号「京都屋」であり事業主名を使用していない。
店舗兼住宅はサダエと原告の共有名義の不動産のためにその経費を等分して分担している。(甲第四〇号証)(甲第四〇号証)は本件事業の金銭出納帳の一部である。サダエと原告の経費等分担が認められる。
(3) したがって、本件事業の利益もサダエに供与されている。被告の供与されていないは誤りである。
5 本件事業の運営資金について
(1) サダエの自己資金及び給与及び原告の給与を提供させ事業主借もしくは事業主貸として利用している。
<1> (サダエの所得-サダエの生活費)
<2> (原告の給与-原告の生活費)
本件事業の運営資金=<1>+<2>
(2) 被告の本件決定処分により原告が受けたとされた贈与財産の価格は左記のとおりであるが営業資金及び負債金額にあたる事業主貸が脱落している。
被告の本件財産の価格
<1> 商品 九七六五三七〇円
<2> 売掛金 七二五〇九一〇円
<3> 買掛金 四七一七五〇円
計 <1>+<2>-<3> 一八五四四五一〇円
被告の本件財産の脱落価格
<4> 事業主貸 一八四二八五〇円(店舗改装費)
<省略>
(3) 原告は被告の消費税導入の際、顧客が商品を買い急ぎ売掛金と買掛金が増大した買掛金の支払は三ヶ月以内のためサダエの資金都合がつかず原告の給与などを提供させられた。その後、被告の本件決定処分が行なわれ、以降の本件事業は異議申立などの結果を持つ営業維持する状態にあるために返済が遅れている。原告の事業主貸は左記のとおりである。
<省略>
6 昭和六一年一二月二五日サダエが被告に提出したみなし法人取止め書について
(1) サダエはみなし法人制度が理解できずこの制度を採用してから増税になったを言い取り止めを望んでいた。
この制度はサダエの長男が本件事業の専従者にあった時採用した。サダエは昭和六一年九月本人の足の手術に立合うため帰省した長男に相談し提出した。
長男は本件事業の売上高三千万以下になっている場合はみなし法人制度の採用は不必要の判断をしたを後になってサダエから知らされた。
したがって、被告の主張するサダエの廃業に共い提出したは誤りである。
7 昭和六二年分サダエの源泉徴収税の還付について
(1) 原告は昭和六三年一月十日サダエが届けた決算書類が例年どおりの内容でなかったので被告とサダエに問い合せた結果サダエがみなし法人制度を取り止めたことを始めて知らされた。原告は昭和六三年三月二日通知されず納入したサダエの昭和六二年分の源泉徴収税の還付請求の手続を取った
同年五月二八日被告は原告の請求に応じてサダエの本件事業用通帳に還付した(甲第四一号証)
したがって被告のサダエの源泉徴収税の還付は原告の請求により被告が応じたことである。
8 電話料金を原告に変更したことについて
(1) 既に控訴により反論したことに付け加える。
電話の異常は昭和六三年一時的ながら正常に戻った時期がある。それで元のサダエ名義に支払を戻した。
(甲第四一号証)より新たな電話料金の振替が確認できる。
現在はNTTの窓口に直接納入している。
したがって、原告が行った名義変更は原告の意志でない。原因不明の原因により変更を余儀なくされたことを確認できる。
9 サダエの本件事業用預金通帳について
(1) サダエは移転後も本件事業に必要である本件事業用普通預金通帳(甲第四一号証)及び通知預金通帳を(甲第四二号証)店舗兼住宅に置いて使用することを指示していた。サダエが必要とする場合、いつでも取り出せる状態にあった。
(2) (甲第四一号証)は本件事業用普通預金通帳である。サダエが移転後本件事業の使用銀行にサダエの不動産事業などの全てを変更したためにサダエの事業などの連絡先になっている本件事業に混乱が生じたために、本件事業の使用銀行を変えた。
その後この通帳を被告異議申立志田調査官に使用しないよう言われて使用していない。
(3) (甲第四二号証)は本件事業に金庫がないので売上金を一時的に預けるための通帳である。本件事業を廃業体制にしてから使用していない。(昭和六〇年九月以降)
(4) 原告はサダエの実子でありサダエは原告を信用しこれらの通帳を使用する許可を指示していた。
本件事業の専従者は皆(弟 長男 原告)これらの通帳を使用していた。
特に昭和五七年ごろの専従者にあってはサダエが父の世話で本件事業に従事できなくなりその全部の管理をさせられた。
(5) 原告は本件事業の専従者にあっては生活費以外の給与を本件事業の運営資金に提供している。
(6) したがって、原告は本件事業用通帳をサダエの指示を許可により使用している。被告の原告が勝手にしているの主張は誇りである。
10 被告が行った原告の意志確認
(1) 一回目は昭和六一年八月原告は被告署員の呼出しを受けた。店舗兼住宅からは被告に徒歩一分、サダエに三分の位置にある。被告とサダエは二分の位置にある。
被告署員は原告の屋号を変えて店舗を移転させて営業してはと言ったので原告は明確に本件事業の事業主になる意志のないことを伝えた。
(2) 二回目は昭和六二年一二月被告石井署員の電話連絡を受けた。最初石井署員は怒っていて原告が開業届を提出しないと税金をかけてやるなどおどしていた。原告はこの時もサダエの廃業に従うこと事業主になる意志のないことを明確に伝えた。
(3) したがって、被告は二度にわたり原告の意志を確認しながらサダエの一方的な話と依頼に応じて原告を被告の認定により事業主にするためにサダエに贈与通知を送付させたこと及びサダエと被告の共同字体による二通りにする確定申告書を提出させたことは被告の違法行為にあたる。
11 小田税理士が行った原告の意志確認
(1) 小田税理士はサダエの一方的な話と依頼に応じて自ら店に出向き、初対面の原告に事業主になる意志のないことを確認しながら原告を被告の認定により事業主に落し入れる方法を伝授したことは税理士の違法行為にあたる。
12 被告の証拠書類(乙第一二号証)について
(1) 被告と国税不服審判官は原告に本件決定処分後の本件事業の営業について営業しながら異議申立及び訴訟のできることを指示指導した。原告は忠実に従っている。
(2) 被告は本件決定処分により原告の作成した昭和六二年分サダエの確定申告書を破棄新たに事業主原告名義に変更した。本件事業の白色確定申告書を作成しなおした。(甲第四三号証)
被告は原告に異議申立中にあっても被告の決定に従うことを義務づけたので昭和六三年分の本件事業も被告が変更した。白色確定申告書の提出になった。
(3) したがって、被告の原告が事業主を認めて提出したの主張は誤りである。
(4) (甲第四三号証)は被告の宮村調査官が作成しなおした。昭和六二年分の本件事業を事業主原告に変更した白色確定申告書の決算書である。
13 被告の証拠書類(乙第六号証)
(1) (乙第六号証)は被告宮村調査官が昭和六三年に八月三日本件決定を通知した後すぐにサダエの廃業に従う意志のために提出した。
(乙第六号証)の提出日と廃業日が同日の同年八月三日になっている。被告の本件決定処分通達の同八月十日以前に提出されたことが認められる。
(乙第六号証)は原告が被告に個人事業の開業届を提出していないことから原告がサダエの廃業に従う意志として提出した無効書類である。
(2) したがって被告の原告が事業主を認めていたの主張は誤りである。
14 本件事業とサダエの長男の関係について
(1) サダエの長男夫婦は昭和四九年から三年間家業後継者にあった。その後もサダエの事業に支配的な影響力を保持している。
原告はサダエと生活を別にしてからそれを証明する証拠種類を持っていないので以前の書類を証拠にする。
(甲第四四号証)、(甲第四五号証)、(甲第四六号証)はサダエの長男が作成し被告に提出したサダエの確定申告書類ある。同じ長男の字体であることを確認できる。
(甲第四四号証裏)より長男は本件事業の専従者にあった三年間に働いていない妻(木村麗子)に給与支給をしていた脱税が認められる。
(2) (甲第四五号証)及び(甲第四六号証)は長男が京都から帰省して作成したサダエの昭和五五年分の確定申告書類である。
(甲第四五号証裏)からは既に退職した原告に給与支給をつづけた同様の脱税をそして(甲第四六号証)からはサダエの不動産の申告もれが認められる。いずれも被告の適発からまぬがれている。
(甲第四七号証)及び(甲第四八号証)は昭和五五年原告が本件事業を退職していた証拠書類である。
原告がフランスで生活していた家賃支払証明及び家主からの値上の通知である。(パスポートを捜し出せないので証拠にする)長男はサダエの昭和五五年分の確定申告書類を作成した手数料として三百万円を要求して貸家の返済金に当てた。
(3) サダエの移転先は長男夫婦の村上の家であるが被告が親子間の家賃の存在を認めないのでサダエは長男夫婦の要求に贈与により家賃を支払っている。
(4) サダエは過去三回の本件事業の廃業を決断したがいずれも長男夫婦の意志により取り止めた。
一回目は後継者の弟が亡くなった時、二回目はサダエの老後の生活費となる不動産の借入金の返済が終った時(昭和五四年)、三回目は父親の亡くなった後(昭和六一年四月)
(5) したがって、本件事業に支配的な影響力を保持しているのは長男夫婦であり原告ではない。
15 本件事業と原告
(1) 原告はサダエが本件事業を営業困難にする度につれ戻されて本件事業の経営打開にあたらせられた。昭和四六年ごろからは拒否する原告にサダエと長男夫婦は悪らつな妨害手段を使用してまでつれ戻していた。こうして戻されたことほぼ三年おきに六回である。
原告は外にあってはいつも最初からやり直しであったが本件事業からの援助を受けない生活をしてきている。
今回すぐに飛出さなかったのは過去の経験からサダエを長男夫婦に疑問をもっていて、飛び出してもつれ戻されては同じことを考えてサダエの指示に忠実に従い様子を見ていた。昨年家族の妨害を受けてからはその被害に父の遺産相続で得たお金を当て生活している。
16 本件事業とサダエ
(1) 本件事業は戦後両親が行商を経て昭和三五年ごろ店舗を持った。
途中父はサダエの名誉欲のためもあって会社経営を行ったが失敗して本件事業の専従者にあったが昭和四三年ごろ健康上の理由から退職した。両親は本件事業の後継者を育成せず子供に教育をした。弟の後継者も大学の中途からである。したがって、長男夫婦が本件事業を利用して営業を続行させてきた。
四 結論
以上の反論理由により原告は被告にサダエの廃業届に対し原告の開業届を提出していないので贈与関係は成立しない。サダエの廃業届提出以降の本件事業の営業はサダエの残務整理期間の営業になる。にもかかわらず被告は原告に二度にわたり本件事業の事業主にならないの意志確認をしながら、サダエの一方的な話を聞き入れ本件事業の事業主を原告とし昭和六二年分に逆上って白色確定申告としたがより増税収入になることを調査したうえでサダエの依頼に応じた。
被告とサダエは原告がサダエの廃業に従い退職することを言いサダエの廃業届に対し、贈与関係の成立に必要な原告の個人事業の開業届を提出しないことに不満を持ち、原告を事業主に落とし入れる計画を遂行した。
サダエは廃業を引きのばし、原告を本件事業に足止めさせた。昭和六一年四月サダエは廃業を決断し原告に残務整理までさせながら一転、サダエの長男の意志で撤回した。
その後、被告とサダエは原告の作成した昭和六二年分のサダエの確定申告書の他に原告を事業主認定するために必要なサダエの不動産のみの確定申告書を共同作成し二通りの申告書とした。そして原告の作成した書類を破棄した。
したがって、被告とサダエが原告を無理に本件事業の事業主に落し入れて決定した本件決定処分は違法である。昭和六二年分も本件事業の事業主はサダエである。相続が存在しないことで相続税(同九条)に違反しない。取消しを求める。
五 原告が家族から受けてきた妨害について
長い間、原告の家族は原告に農薬のような薬物散布を用いた生活妨害を加えてまで原告を本件事業の専従者につれ戻したりとどまらせるために使用してきた。
原告に本件事業を継続させ援助を引き出すためである。原告は疑問に考えながら気が付くことができなかった。
昨年九月の新潟地方裁判所の訴訟で原告に有利になった時から激しい妨害になり始めて薬物使用に気がついた。そして、過去に受けてきた妨害の記憶と重なり全て解明できた。薬物使用は原告の予想しないことであったので冷静になるまで時間を必要とした。
現在は妨害に対し苛立ことも、興奪することもなく冷静に対応できる。
原告は被告も精神科医も自分達に利益のある場合それらを悪用する人の依頼に簡単に応じることであった。精神科医など悪用する人の依頼に応じて診断を変えるばかりでなく普通人を薬物などを使用して追い込むことの協力を行うことを知った。
原告の家族のような悪人が自分達の勝手の目的のために精神科医などを利用した場合、それらが裁判官になり真の裁判官は存在しない。
以上
(添付書類省略)